家事時短はじめの一歩
2021年10月1日
もしも、今家事にかかっている時間が短縮できたら、どんな暮らしになるでしょう。
もしも毎日1時間短縮できたら、かなりユッタリ過ごせるのではないでしょうか?
仮に短縮が週に1分だけだとしても、年間だと52分になります。こう考えると、家事時短に踏み出さない理由はないと思います。
なにしろ仕事の時間は自分の都合だけでは変えにくいし、睡眠や食事の時間もある程度確保しておかないと持続性が失われる。
自分の時間を削るのも、これまた辛くなる。自在に調整できる可能性が残っている、貴重な領域なのが家事時間ではないでしょうか。
いきなり、家事時短のために、家事動線を見直したり、生活様式を変えるというのは、とてもハードルが高いと思います。
ですが、今やっている家事がこれ以上増えないようにする、家事予防からなら手軽に始められるのではないでしょうか?
ちゃんと脱ぐ
気軽に家事時短を始めるなら、まずは、ちゃんと脱ぐことからはじめてみましょう。決まった場所に脱ぐ程度のことでも予防効果は上がります。
脱いだものを脱衣かごに入れるというのは、当たり前のことかもしれませんが、これが守られていないから、
洗濯物を干す時に「あれ?靴下の片方がない」となり、探す時間と手間が発生するのです。
脱ぎ散らかさないことを家族全員が守れれば、確実に無駄な家事の予防になります。
ちゃんと脱ぐには、決まった場所に脱ぐ以外に、裏表をそろえて脱ぐというのもあります。
ズボンの右足は表なのに、左足は裏に脱いだまま、洗濯した場合、干す時にとてもメンドウです。
ポケットの中を脱ぐ時に確認せずに放り込むから、洗濯機の中でティッシュペーパーが散り散りになるのです。
こうなると、家事時短からはほど遠い状態になります。
脱ぐ時に、決まった場所に脱ぎ、裏表をそろえ、ポケットの中を確認するだけです。きっと毎日数十秒気を付けるだけで十分でしょう。
それだけで、無駄な家事時間を大幅に減らせます。
風呂上がりにシャワーひとかけ
風呂を出る時は、サッと泡をシャワーで流しましょう。
これはカビ防止になります。カビが繁殖するには、水と適温の空気と栄養分が必要です。水と適温の空気は、お風呂場にはたくさんあります。
つまり、僕たちにできるのは栄養分を残さないことです。
お風呂場には、身体から出る皮膚のかけら(垢)や頭髪や体毛がたくさん出ます。
それらの大半は石けんやシャンプーの泡に集まります。だから泡を洗い流しておけば、カビ防止に繋がります。
カビは、一度生やしてしまうと、根絶するのはかなりタイヘンです。時間や手間をかけても、完全に除去するのは難しいです。
でも、風呂上がりに泡を洗い流すだけなら、30秒もかからないはずです。
汚れ予防シートやコーティング
まめに汚れを拭き取っていても、拭き残しが多少は出るもの。
残った汚れが引っ掛かりになり新しい汚れをくっ付け、さらに新しい汚れの引っ掛かりになる。
こうして汚れは重なっていきます。キッチン回りの油汚れは、油だけではなく、そこにホコリがくっ付くことで層状的な汚れになり、
サッと拭くだけではとれにくくなります。
キッチン回りの汚れはある程度避けられないので、汚れ防止シートを貼って、汚れが目立ってきたら剥がすという方法があります。
タイルやグリルとシンクトップなどの目地は、汚れが溜まりやすく、しかも拭き取りにくい素材です。
その目地にメンディングテープやマスキングテープを貼ると、汚れが溜まっても剥がして張り直すだけですみます。専用のテープも販売されています。
シンクの水垢が付きやすくなっていたら、それは元々の素材に備わっていた防汚や撥水加工のコーティングがとれているかもしれません。
塗り込むタイプのコーティング材を使うと、シンク掃除の頻度を減らすことが出来ます。
汚れ防止シートという製品でなくても、例えば、古い新聞紙を靴箱の棚に敷いたり、タンスの上に敷いておくだけで、汚れやホコリの防止になります。
冷蔵庫の上はホコリだけでなく油も飛んできます。
しっかり汚れを予防したいところですが、冷蔵庫によっては放熱が上面の場合もあります。
放熱面を塞ぐと冷蔵効率が落ち、電気を余分に使うこともあります。仕様を確認したうえで、対応して下さい。
使ったら、元の場所へ
以前にも紹介しましたが、家事時短のための散らかり防止は大切です。
ポイントは一点のみ。ものを使ったらすぐに元の場所へ戻す。たったこれだけで、散らかり防止になり、片付けの時短になります。
ものを使う時は、それが必要な時です。
今、必要だから、それを取り出すというのは、誰でもできる行動です。
ところが、使い終わった後、元の場所に戻すという行動は、次に使う時のための準備です。
それには、予測ができないと実行できません。
取り出すと戻すという行為には、ただ道具を使う前と後というだけの差ではなく、予測という大きな差があります。
予測は、過去の積み重ねによって形成されます。
以前、探し回って困ったから、次からはキチンと片付けようと元に戻すようになったり、なくしてガッカリしたから繰り返さないようにしようとしたりするわけです。
子どもは、積み重ねる経験が不足しがちなので、片付けられないのは仕方ないのかもしれません。
問題は、大人です。
毎朝「鍵どこか知らない?」「ちょっとスマホ鳴らしてくれない?」を繰り返していませんか?
人生から、探すという時間を減らせたら、かなりゆとりのある生活になると思いませんか?
家事時短は家事予防から入ると手軽です。
メンドウが増えないというだけでも、気持ちは楽になるはずです。今日の楽は、きっと明日の楽しいに繋がると思います。
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【プロフィール】
家事ジャーナリスト 山田 亮
1967年 香川県高松市生まれ。
1998年、当時大学助手だった妻と結婚。キャリアウーマンである妻を支え、主夫をしながら佛教大学博士課程に進学。
2001年、長女が誕生。ホームページ上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり執筆活動を開始。
ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰して情報提供や家事指導を行う。
また、家族や家事の在り方を考える「家事ジャーナリスト」としても活動。
全国の自治体や企業などで男女共同参画、ワークライフバランス、子育て支援、人権啓発についての講演を行っている。
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