時短家電「三種の神器」
2021年8月27日
家事ジャーナリストの山田亮です。暑い日差しの下での洗濯物干しや、せっかく冷房が効いて涼しくなったキッチンでの火作業。 床についた足形の拭き掃除。
本当に、毎日よくやってるよね…と自分で自分を褒めたくなる人もいると思います。
今回は、そんな夏の家事を爽やかに乗り切れるような、時短家電について、自腹購入ゆえにできる率直な主観満載で紹介します。

時短家電「三種の神器」というと、だいたいロボット掃除機、乾燥機付きの洗濯機、食器洗い乾燥機だと思います。
自動調理器が入ることもありますし、少しずつ違っていることがありますが、だいたい掃除ロボット、乾燥機付き洗濯機、食器洗い乾燥機の3種ではないかと思います。

【床拭きロボット】

前回の「夏の床掃除」で、終盤に紹介した床拭きロボット。これは本当に時短家電でありながら、時間創出家電でもあります。
買い物している間や風呂に入っている間に家事をしてくれるのです。
「忙しすぎて、身体がいくつあっても足りない」という表現がありますが、その身体がもう一つある状態を作ってくれるのです。
僕が使っている初期のブラーバ390j。スタート前のセッティングと開始ボタンは手動ですが、終了時はスタート地点に戻ってきて自動的に止まってくれます(途中で 転落や引っかかりの事故がなければですが)。
一番新しいブラーバジェットm6は、スマホ連動の機能が搭載されていて、定期巡回や自動スタートも設定できます。 終了時には、自分で充電器まで戻ってきて接続してくれます。
ブラーバと同じメーカーのロボット掃除機ルンバはブラーバ以上に有名。最新のブラーバと同じくスケジュール設定ができるので、 身体がもう一つある状態を作ってくれます。でも、僕はルンバを使っていません。
在宅ワークなので、気がついた時にいつでも掃除できるし、掃除機を使うこと自体は苦にならないので、気分転換に掃除してます。 ただ、拭き掃除はハードルが高いので、ロボット掃除機を使うようになりました。



【乾燥機付き洗濯機】

この春、最新の乾燥機付き洗濯機を導入しました。これが時短かつ手間減らしに効果絶大でした。

全自動洗濯機の限界
1990年代中盤に全自動洗濯機がグンと普及して、約25年経ちます。
洗濯から脱水までは掃除機がしてくれるようになりましたが、それでも、干すから取り込む、たたむ、収納するまでは、やってくれませんでした。

終了時間をセットすればOK
乾燥機付きの全自動洗濯機は、さらに干すと取り込むを省力化してくれます。 残りはたたむと収納するになりましたが、この2つの作業は一連なので一気にできます。
この春購入した洗濯機は、終了時間を自分が帰宅する時間にすると、それに併せて自動でスタートしてくれます。 予定開始時間前だと予約変更も可能です。自動スタートを可能にしたのが、洗剤や柔軟剤の自動投入機能。 洗剤はボトル一本分をまとめて入れておけば、スタート時に洗濯物の重量を検知して、適量を自動で投入してくれます。
運転中も静音なので、夜中に回して朝に終了させることも可能です。

しわは問題なし
洗濯機と一体型の乾燥機は、登場初期の頃のトラブルであったシャツがクシャクシャになる印象が強く残っていて、僕は長い間、導入をためらっていました。
ところが、いまどきの乾燥機付き洗濯機には、そんな心配は不要になっていました。 乾燥時に風を当ててしわを伸ばし、しかも徐々に機内の温度を下げることで、冷める時にできるしわ戻りも防いでくれます。
さすがに、乾燥が終わっても、洗濯機の中に入れっぱなしにしておくと、湿気が衣類に戻ってジトッとなります。 乾燥終了後は、素早く出して冷ますのが、カラッと仕上げるポイント。
そして、シャツなどは、すぐにハンガーに掛ければ、戻りじわはさらに付きにくくなります。

横幅の注意点
やはり、洗濯物を入れすぎると、乾燥時に十分しわが伸びきらず終了してしまいます。 それも見越して、洗濯機置き場のドア幅ギリギリまで、大きなサイズの洗濯機を買いました。
実は、カタログの横幅値だと、ドアは通過できないサイズの洗濯機でした。 ところが、着脱パーツを含んだのが、カタログの横幅の数字。
運び込む時は、それらのパーツは付いていないので、2センチの余裕があり、無事に設置できました。
この説明が聞けたのは、店頭で購入したメリットでした。

気になる電気代
仕上がりのしわと同じくらい気になっていたのが、電気代が高くなるという問題。
この機体の乾燥機は、熱気を循環させることで、以前の洗濯機に比べると、かなり電気代は抑えられているようです。

便利に乗っかりすぎない
ちなみに…全自動洗濯機が普及したのは、1980年代中盤から2000年代前半のあたり。
33.9%だったのが、90年台後半に入りグッとあがり85.6%に。
この時期、電子レンジは約45.3%からほぼ95.3%へ。
普及した分だけ、家事時間もグッと短くなったかと思いきや、短縮したのはたったの11分。
楽になった分、洗濯回数が増え、仕上がりの白さを求め、食卓の品数が増えたりしたのです。
便利な家電もそれに乗じて、使い方を間違うと、逆に家事を増やしてしまいます。当時は、まだ片働き世帯が多く、今ほど家事時短が切迫した 問題ではなかったという、時代背景としてあるでしょう。
洗濯機の好みは、それぞれです。僕の母は、未だに二槽式洗濯機を使っています。
勝手に次に行くのが、性に合わないようです。乾燥機付きの洗濯機についても、ついこの前の僕のように、シワになるのでは…電気代が…という 人もいると思います。そういう人のためには、乾燥機単体もあるますし、浴室乾燥機もあります。
でも、もし乾燥機付きの洗濯機を考えているのなら、そして置き場があるのなら、洗剤を自動投入できるタイプをおすすめします。

【食器洗い乾燥機】

食洗機のある時ない時
今の家を建てた時に、システムキッチンを採用し、念願の食器洗い乾燥機をビルトインしました。
それ以降、ほぼ毎日使い続けています。あれから16年。何度か故障して、その間、食器洗い乾燥機なしの生活を経験すると、 いかに食器洗い乾燥機に依存した生活かと痛感します。
食器洗い乾燥機のいいところは、他でも語り尽くされていますので、あえてここでは書きません。 むしろ、食器洗い乾燥機はまだまだ改善の余地があるという点です。

今から買うならコレ!
もしも、これから家を建てる予定があり、食器洗い乾燥機を選べるのなら、僕は迷うことなく大容量のフロントオープンタイプをおすすめします。 理由は一度に洗える容量が桁違いだからです。
現在主流なのは、スライドオープンタイプの食器洗い乾燥機ですが、たくさん食器を使う家庭、大家族、一日一回ですませたい人は、少しでも容量の大きいタイプをおすすめします。

大は小を兼ねる
最初は「あぁ便利」と使っていた我が家の食器洗い乾燥機でした。しかし、Airbnbで借りたカリフォルニアの家で経験した、フロントオープンタイプが衝撃的でした。
シェアルームした6人の食器が、なんにも考えず適当に食器を食洗機に詰め、ふたを閉じて、洗剤入れて、スイッチオン♪子どもでも食器を詰め込める食器洗い乾燥機。
その理由は大容量だから。食洗機に関しては、「大は小を兼ねる」が言い切れます。

家事シェアがすすむ食洗機
アメリカ滞在から帰ってきて、我が家の食器洗い乾燥機を使って感じる庫内の狭さ。改めて、食器を詰め込む時に、パズルを解くような作業をしていたのに気が付きました。
容量が大きいと、ほとんど頭を使わずに食器を詰められるのです。 これは普段、食器洗い乾燥機を使っていない人が使うハードルをグッと下げてくれます。家事シェアや共家事が簡単にすすむという点でもイチオシです。

小さい食洗機はパズル
誰が詰め込んでも入るから、その日最後に晩ご飯を食べた人が、食器を詰めたらスイッチオンにすればイイということになります。
毎回がパズルのようだと、パズルを解ける人が詰めないと、入りきらなかったり、入っても洗い残しが出るような詰め方になってしまいます。
我が家は3人家族。決して、使う食器が多い家ではないと思うのですが、1日分の食器をまとめて入れようとすると、残りのスペースはごくわずか。 4人家族、5人家族の家は、このサイズでは一日一回の運転では難しいだろうなと思います。

大きいのに買い換えたい!
すぐにでも、フロントオープンタイプに乗り換えたい!と思ったのですが、我が家のシステムキッチンに入れるには、配管部分からやり直さないと入らないと 言われ断念しました。でも、リフォーム後はフロントオープンタイプで!それも少しでも容量の大きいタイプで!と目論んでいます。


「三種の神器」について、僕の実感込みで紹介しました。もちろん、個人的な感想にすぎません。
特定機種についての紹介なので、他の機種がどうかもわかりませんし、同じ機種の感想であっても、人それぞれでしょう。
とはいえ、「これから購入しようかな?」「どうしようかな?」と思っている人の参考にしてもらえればさいわいです。

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【プロフィール】
家事ジャーナリスト 山田 亮
1967年 香川県高松市生まれ。
1998年、当時大学助手だった妻と結婚。キャリアウーマンである妻を支え、主夫をしながら佛教大学博士課程に進学。 2001年、長女が誕生。ホームページ上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり執筆活動を開始。 ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰して情報提供や家事指導を行う。
また、家族や家事の在り方を考える「家事ジャーナリスト」としても活動。 全国の自治体や企業などで男女共同参画、ワークライフバランス、子育て支援、人権啓発についての講演を行っている。


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