夏の床掃除
2021年8月17日
家事ジャーナリストの山田亮です。
素足が気持ちいい季節になりました。せっかくの素足生活ですが、床に落ちた食べかすやベタッとした感触が残っていると、逆に不快になり、体感的な暑苦しさも上がります。
今回は、夏を爽やかに過ごすための床掃除について紹介します。
なぜ床がベタッとするのか?
科学的にみると、湿気を含んだ空気は上昇するものです。それなのに、なぜ床がベタッとするのでしょうか?
原因は、床に残ったホコリやゴミです。本来なら上昇するはずの湿気を含んだ空気が、ホコリなどにくっついて床に留まってしまうからです。
そして、その床に留まった湿気を、足で踏むからベタッと感じるのです。つまり、床掃除をすると、湿気は素直に上昇して足もとのベタベタ感が解消されるのです。
ホコリは決まった場所に集まる
床掃除には重点ポイントがあります。フローリングや畳部屋のホコリは、通常部屋の隅に集まります。
人が通ることで気流が生まれ、それによって軽いホコリは吹き飛ばされます。そして、空気の流れの悪い部屋の隅っこや机の脚の陰などに集まります。
一方、カーペット敷きの部屋は、人の通るところで踏まれ、敷物に入り込みます。
これはリビングだけでなく、玄関やバスマットでも同じです。踏まれて入り込んだホコリやゴミを吸い上げるために、強力な吸引力の掃除機が必要になるのです。
床掃除をしても、すぐにホコリが見つかるのはなぜ?
ホコリは床だけでなく、壁や天井にも静電気でくっついています。
だから床掃除だけをしても、壁や天井の掃除を忘れるとホコリが降ってきて、「掃除したばっかりなのに…」となるのです。
ホコリにも重さがあるので、それを考えると、まずは天井から、続いて壁、そして床という順番に掃除するのが、掃除の鉄則。
伸び縮みする柄のハンディモップや毛糸で作ったアクリルモップ、はたまた昔ながらのハタキで、天井や壁をひとなでしてから床掃除すると、
無限掃除からは解放されるでしょう。
床掃除グッズ
ある世代以上だと、床掃除といえば雑巾がけでしょう。米のとぎ汁で床を拭くとピカピカになるという、もっと上の世代の人もいます。
結論からいうと、昭和初期の家屋に使われていた木材なら、米のとぎ汁もある程度効果があります。
ですが、現代の一般住宅のフローリングに使われる木材の場合、米のとぎ汁効果はほとんど期待できません。
むしろ、拭き残ったとぎ汁成分がホコリを留めてしまうことも。これは、洗剤でも同じです。
使う時の濃度調整や拭き取りを十分にしないと、逆効果になりかねません。
ウェットタイプのペーパーモップは速乾性もあるし、洗剤の量もかなり薄いので問題はないでしょう。
ただし、それでも気になる人はドライタイプを使う方がいいでしょう。
また高温のスチームで汚れを浮かして拭き取ると、洗剤なしでもかなりキレイになります。
いずれにしても、濡らして拭く床掃除は、水分や洗剤の拭き取りと、速乾がポイントです。
床掃除のゴール
床掃除というものは、実は永遠に終わりません。そこで生活する限り、体からは髪の毛や皮膚のかけらが落ちるし、衣類からは糸くずが落ちます。
食べたり飲んだりする以上、それらの一部が落ちることも避けられません。
完璧にキレイにはならないので、ある程度のラインで折り合いをつけないといけません。
その折り合いラインは、人それぞれでしょう。僕は、素足で気持ちいいという主観を区切りにしています。
足裏感覚も、敏感な人とおおらかな人では違うでしょう。まずは自分が気持ちいいかどうか?を大切にしてみましょう。
床掃除家電
最近、掃除機を買う機会がありました。掃除機というのは、なかなか壊れないもので、買い換えもめったにしません。
ですが、先日、軽量のコードレスのスティックタイプ掃除機を使い始めると、これがこれまでの同タイプを一気に凌駕する使い勝手。
しかも、パワーも昔のタイプに比べるとはるかに上がっていました。
6年前から、床拭きロボットも使っています。掃除機を使うのは、それほど苦ではありませんが、床拭きは長い間めんどうに感じていました。
掃除機でザッとホコリを吸い取った後、床拭きロボットを起動させると、細かい汚れを拭き取ってくれて、足裏がサッパリします。
子どもが大きくなり、大人ばかりの生活になり、あまりひどい汚れにはならないので、たいてい乾拭きモードで使っています。
掃除ロボットは時短家事を超えて、時間を作ってくれる家電ですが、唯一問題があるとすると、それは掃除ロボットが動ける家にしておくこと、
つまり床に物を散らかさないことです。これが掃除ロボット導入の壁になっています。
掃除しやすい家に
ここまで床掃除について紹介してきましたが、実は、高価な掃除家電など買わなくても、キレイな床を維持する方法があります。
それは、床に物を散らかさず、掃除をしやすい家にしておくことです。掃除がしやすいと、掃除がめんどうではなくなるので、掃除の頻度があがります。
掃除の頻度が上がると、汚れが目立ちます。目立つことで、汚れが溜まる前に対処しようという気持ちになります。
その結果、キレイが維持されます。つまり、掃除の前に片付けが必要なのです。以前、このコーナーでも触れた「整理整頓」できていることが、床掃除の大前提になります。
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【プロフィール】
家事ジャーナリスト 山田 亮
1967年 香川県高松市生まれ。
1998年、当時大学助手だった妻と結婚。キャリアウーマンである妻を支え、主夫をしながら佛教大学博士課程に進学。
2001年、長女が誕生。ホームページ上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり執筆活動を開始。
ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰して情報提供や家事指導を行う。
また、家族や家事の在り方を考える「家事ジャーナリスト」としても活動。
全国の自治体や企業などで男女共同参画、ワークライフバランス、子育て支援、人権啓発についての講演を行っている。
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